鬼神姫(仮)




屋上には穏やかな風が吹き、緑の小さな葉が舞う。

「……お前さぁ、余計なこと言うなよ」

ぽつりと陽が呟く。その声には少しの非難が混じっていた。

「余計なことなんかじゃないっすよ。俺は本当に番人なんかするつもりないんです。なのに、あんなのを護ったなんて思われちゃ虫酸が走る」

銀は陽の目を真っ直ぐに見ながら言った。すると陽は思い切り銀を睨んだ。

「じゃあ、現鬼神姫が死んでもいいっていうのかよ」

陽は震える声で銀に迫る。二人しかいない屋上は低い声もよく響くが、それは風に乗ってしまうようで何処か弱く感じられる。

「……俺には関係のないことですよ」

詰め寄る陽から目線を逸らし答える銀。それに陽は唇を強く噛んでから口を開いた。