「何をしているんです? もう午後の授業は始まっていますよ?」 扉の向こうから現れたのは赤みがかった柔らかそうな髪をした美しい切れ長の目をした男。彼は白衣を纏い、教科書を手にしている。 「緋川先生」 雪弥が彼の名を呼ぶと緋川はにこりと微笑んだ。その微笑みは見る者全てを魅了する程に美しい。 「ほら、途中からでも構いませんから早く教室にお戻りなさい」 緋川は三人の前に立ち、それから雪弥の背を押した。そして彼女だけを屋上から出し、その場を去っていった。