「よし、そうとなれば、然り気無く陽先輩達にも真意を確認しないとな」
銀は拳を強く握りながら言った。
「……貴方に然り気無くなど、出来るのですか?」
雪弥はふと芽生えた疑問を口にした。良くも悪くも素直。雪弥の目に写る霧原銀はそういう男だ。
「はっ? 何だよ、それが協力してもらおうって人に言う言葉か?」
「……申し訳ありません」
雪弥は心外だと思いながらも謝った。でないと、更に五月蝿くなりそうだったからだ。
「お前、心から謝ってねぇだろ」
「そんなことありません」
面倒臭い、と思いながらもそれらしいことを口にする。こんなことは今までしたことがなかった。
面倒臭いと思いながらも、このやり取りを楽しく思う自分がいた。
「兎も角……お二人共、早く覚醒して下さいね」
凪は小さな声でそれだけを言うと、静かに去っていった。
その言葉に雪弥と銀は同時に口を閉ざし、顔を見合わせた。
──どういうこと?
様々な疑問がずっと頭の中を巡り続ける。

