鬼神姫(仮)

「私は葛様の生まれ変わりなのですか?」

それは比喩ではないのか。そう思えるだけではないのか。

「お前は紛れもなく、葛の生まれ変わりだ。その記憶はそのうち芽生える。そのとき、呪縛は解ける」

知羽はそう言うと、一度目を閉じた。

真っ赤な瞳が見えなくなると、途端に空気が変わる。

「呪縛?」

知羽の言葉の意味が全く理解出来なかった。

何をもってして呪縛というのか。何が、呪縛なのか。そしてそれが解けるというのはどういう意味なのか。

「……他に術は」

記憶か蘇ることの重要性はまだわからない。そして、そんなものを悠長に待っている暇はない。

「何れ教えよう」

知羽はそれだけ言うと、雪弥から離れていった。

雪弥はその小柄な姿を見ながら、知羽の言葉を反芻したが、その答えを見つけ出すことは出来なかった。