「運命を変えたいのです」
雪弥は頭を静かに上げ、真っ直ぐに知羽の赤い瞳を見る。やはり何百年も生きているというのは信じられない。そこにいる知羽は自分とさして変わらない年頃にしか見えないのだ。
「何の為に?」
ぞんざいな口の利き方は普段雪弥がされることのないもの。しかし、鬼の世では、鬼神姫より白瀬の立場の方が上なのだ。
「鬼の一族の為か?」
ずっとそう思ってきた。
一族の為に、自分が死んではならない。自分が死ねば、一族は滅ぶ。だから、死んではいけない。
「……違います」
しかし、今は違う。そうではない。
「確かに、一族の為もあります。しかし、私は私の為に、私達鬼に協力してくれるという人間の為に、運命を変えたいのです」
雪弥ははっきりとした声を出す。
その決意を固め、この場所に来たのだ。
「……よく似合うな」
ふと、知羽が声色を変えた。
「え?」
雪弥はそれに少し抜けた声を出す。
「葛に瓜二つだ」
知羽は言いながら雪弥に近付いてきた。真っ白の髪は恐ろしく美しく見える。絹糸のように細く、暗がりでも煌めく。
「葛姫に、ですか?」
ずっと言われていた。
葛姫の生まれ変わりだと。
雪弥は頭を静かに上げ、真っ直ぐに知羽の赤い瞳を見る。やはり何百年も生きているというのは信じられない。そこにいる知羽は自分とさして変わらない年頃にしか見えないのだ。
「何の為に?」
ぞんざいな口の利き方は普段雪弥がされることのないもの。しかし、鬼の世では、鬼神姫より白瀬の立場の方が上なのだ。
「鬼の一族の為か?」
ずっとそう思ってきた。
一族の為に、自分が死んではならない。自分が死ねば、一族は滅ぶ。だから、死んではいけない。
「……違います」
しかし、今は違う。そうではない。
「確かに、一族の為もあります。しかし、私は私の為に、私達鬼に協力してくれるという人間の為に、運命を変えたいのです」
雪弥ははっきりとした声を出す。
その決意を固め、この場所に来たのだ。
「……よく似合うな」
ふと、知羽が声色を変えた。
「え?」
雪弥はそれに少し抜けた声を出す。
「葛に瓜二つだ」
知羽は言いながら雪弥に近付いてきた。真っ白の髪は恐ろしく美しく見える。絹糸のように細く、暗がりでも煌めく。
「葛姫に、ですか?」
ずっと言われていた。
葛姫の生まれ変わりだと。

