「えと、髪を両サイドでくくってて、ピンクのワンピースを着てて、背が小さめの感じです。」

知らないし。
ま、適当に嘘ついて、家までおびき寄せるか…。

「あ、そんなコなら、私の家に来ましたよ。 『ママが居なく成ったー』って泣いてました。だから、多分私の家に居ると思いますよ。その子、両サイドで髪の毛束ねてて、ピンクのワンピースきてましたし。」

「多分、その子が美玲(みれい)かもしれません。連れてって貰っても宜しいですか?」

よし、掛かった。私の罠に。

「いいですよ。私の家、此処からそう遠くないんで。」
そう言って、そのお母さんを誘導した。

段々、林の中に入って行き、辺りは森に囲まれた。

そのお母さんは、不安になったのか、辺りをキョロキョロ見渡し始めた。

逃げ出したら困るから私は、
「大丈夫ですよ。もぅ直ぐで着きますから。」

「そうですか。」

安心したかな?まぁ、いいや。