不器用な彼と、嘘つきな私。

お風呂から出て数分後、チャイムの音が鳴り響いた。

正、もうついたんだ。
私、髪の毛濡れてるけど大丈夫かな。
って、何でこんな事にしてるの、私。

「は、はーいっ」少し緊張しながらドアを開けると、家の近くのスーパーの袋を持った正臣が立っていた。どうぞ、と手で合図すると無言で部屋に入ってくる。

正が私の家に来た事なんて何回もあるのに。なんで緊張してるんだろう。また私だけ緊張してるのかな…。

「こんな朝早くにどうしたの」
「葵が起きてるとか奇跡だな」
「質問の答えになってない」
私が不機嫌そうにすると、正は袋を渡してきた。