不器用な彼と、嘘つきな私。

シャワーの音。雑音は聞こえない。
他の音が聞こえなくなる心地良い音。

そしてシャワーを浴びながら考える事は一つしかない。

正、なんでこんな早く来るの。私と付き合おうと言い出したことも、朝の六時に家に来ることも、意味わかんない。

考えても考えてもわからない事を考えてる私の耳に心地良い音が響き渡る。目を閉じて、ぎゅっと自分の身体を抱きしめると、何故か小さい頃を思い出した。

そういえば、嫌な夢を見たあとなのに夢のことなんて忘れてた。起きてから…いや、昨日から正の事ばっか考えてる。

正、と心の中で呟く。

少し恥ずかしくなって、慌ててお風呂場を後にした。