「それより、探せよ」


「なにを?」


「アイツが帰ってきたって事は、それなりのもん持ち帰ってると思うぞ。
探せよ。オマエの夢にバッチリくる家具をさ」



「ありがとう。谷原」


「ああ。オレも迎えに行ってみるよ。オレのワガママを黙って、ほっておいてくれた彼女をさっ」


「・・・」

「まぁ、待ってるかは分らないけどな。」


「谷原・・・」


「なんてな大丈夫だよ。心配するな。」



そう言って私を抱きしめると


「幸せになれよ。心」

「うん。初めて名前で呼んでくれたね。」

「最初で最後だ」

「谷原・・」



私達は三年間を抱きしめ、長い長いキスで思い出をお互いの心の中へ押し込んで別れた。