その夜、谷原が家に来た。

「おう。大丈夫か?」

「うん。ごめんね。心配かけて」



「上がるぞ」

「うん」


「これ今日の!」

「はい。すみませんでした。一人でやらせちゃったね」

「バーカ!なめんなよ。俺一人で充分だったよっと言いたい所だけどさ」

「ありがと。仕上げはやります。明日電話入れとくね。」

「うん、そうして」



それから私達は仕事の話をしていた。



すると急に
「なあ早水ィ」と声のトーンを変えた谷原。


「ん?」

「何かあった?」



「・・・」
「おまえさー何無理してんだ?どうして?」

「べつにムリなんて」

「どうしてそんなにオレに縛られてんだ?俺がそうさせてる?」


私は首を振った。




「じゃあどうして?」

「・・」




「雅と話せたんだろ?」




「・・うん」




昨日逢ったことを話した。