「もうイイでしょ。離して雅」

「谷原は知ってるんだ」

「そうよ」






雅は強く私の手を握っていた。






「離して!ほっといて、雅と話すことはもう・・ない」


「こころ・・・


「何なのよ。言い訳なんて聞かない。」

「言い訳なんてしないよ。」


「じゃあ離して」

そっと手を離してこう言った。




「こころ、オレもケイタイ変わってないから」
そう言った雅の背中を見送った。




恐る恐るケイタイを開いた。


当たり前だけど谷原なわけがなく



今まで目の前にいた雅だった。




電源を入れたことによって、
センターに溜まっていたメールや電話が今日入ってきたのだ。


丁度一ヶ月前、日本に戻ってきた雅からだった。


すごい量のメールや電話には雅のキモチや優しさ・私に対する想いがいっぱいだった。