その日一日、谷原は私と幸人くんを離れて見ていた。

そして何も言わずに自分の家に帰っていった幸人くん。


そして次に日、幸人くんに呼び出された。



「心さん?谷原さんとは付き合ってるんですか?」


その真剣な顔にウソがつけなかった。

「うんん。付き合っては居ないよ。でもそれに近い関係ではあるかな。お互いの家にも泊まるし・・・私の心の中で今は一番身近な人かな。ごめんね」


「そうですか。分りました。もうひとつ聞いてもイイですか?」
「うん」

「じゃあこの前逢った人は?」



雅のことだった。



「あーあ、あいつは昔付き合ってた人。」
「今はどうなんですか?」

「今?」

「うん今」


「雅とは色々あったから、ハッキリ言って消化されてないんだ。今でも」

「やっぱりそうか」

「うん。ホントごめんね」

「いやイイんです。どっちにしてもオレの入り込むスペースはなさそうだから」

「幸人君・・・」

「そんな顔しないで下さい。憧れは憧れのままにしておきます」

「ありがとう」

「でも心さん、谷原さんは違うと思いますよ。心さんのことすごく大切に思っていると思います」



「うん、解ってる。ありがとう」
そう言って別れた。



「谷原か」


あてもなく彷徨って着いた所は
“keep dream”だった。