私の手を握っていたお父さんの手が

徐々に、握る強さが弱くなっていったのが

分かった。

「青海・・・お母さんな・・」

「・・・・うん」

「・・・・亡くなったんだっ」

「急に、心不全で・・・」

私は、それを聞いたとき

目の前が、真っ暗になった。

それから、お父さんがまた話していたけど

なにも聞こえなかった。

いや、なにも聞きたくない――。

ただ、悲しみの涙が、私の頬を伝うだけ――。