その日、私と澪は、一緒に手を繋いで帰った。

一緒に笑いながら――。

「澪、バイバイー!」

「うん!青海ちゃん、バイバイ!」

澪と別れたあとも、私は笑顔だったと思う。

そのあと、軽く走って家に帰った。

「ただいまー!」

シーン・・・。

「あれ?誰もいないのかな?」

いつもなら、お母さんがいるはずなんだけどな。

私は、靴を脱ぎ捨てて

リビングへ向かった。

怖いくらい静かな廊下を、私の足音を響かせる。

「カチャ・・・」

やっぱ、誰もいないかなー。

すると、なにかが私の足に当たった。

まるで、人のような――。

ゆっくり、私は床を、私の足音を見下ろした。

「え・・っっ?!」

「お母さん・・・?」

私は、お母さんが倒れてるのを見た。

そして――。

「いやあああああああああ!」

叫んだ。気を失うような奇声を張り上げて。