黒坊主の事件――。

黒坊主は、教師という仕事を辞めることになった。

誰に聞いても

当たり前のことだろうと思う。

澪は、誤っていた。

「ごめん、ごめんね。澪のお父さんのせいで・・・」

そのとき私は

本当に澪は優しい子だなって、思った。

自分が一番傷ついてるのに

人のことを思いやってくれた。

「澪、澪は悪いことなんて、なにもしてない。だから、誤る必要はないんだよ?」

私は、自分の思っていることを

澪に打ち明けた。

「私ね、黒坊主が澪のお父さんだったなんて知らなくて、澪が今まで傷ついてるなんて知らなくて、本当に今まで何やってたんだろうって思う。」

澪は、真剣な目で私を見ていた。

そして、目に涙を浮かべながら。