私は、輝矢の姿を探した。
それに気づいたのか、先生が口を開いた。

「あー、輝矢君は、ベッドで寝てるから、安心してね」

「そ、そうですか」

あっさりと気づかれたことにびっくりした。

「青海ちゃんは、大丈夫?どこも怪我してない?」

「え、あ、はい。私は大丈夫・・です」

私は、責任を感じた。
私は、何も出来なかった――。
それだけが、頭から離れない。澪と輝矢があんなに傷ついてるのに
自分は、見てただけ。
なにかしたといえば、澪を保健室へ連れて行ったことと
涙を流しただけ――。