「なんだと~?!」

黒坊主は、顔を、いや、頭を真っ赤にして

手を拳にする。

そして、一気に澪に向かって振り下ろされる。

「きゃー!」

澪が、悲鳴を上げた。私は、怖くて

見てられなかった。

先生は止めようとしていただろう

会話をしていた。

「小笠原 先生!!」

しかし、返ってきた言葉は

「少し黙ってもらえませんか?これは、親子の問題です」

ありえないことだった。

親子だから?先生と生徒でもあるでしょ?

こういうときにだけ、親子という言葉を

使って!

でも、遅かった。澪が殴られる。そう思ったとき

鈍い音がなった。

「っっぐぁ!」

澪の声ではなかった。

殴られたのは、澪ではなく、輝矢だった。

「輝矢君・・・!!」

私と夜叉は、顔を見合わせ、澪よりも

早く輝矢のもとへ走った。