君の体温

はぁっ、はぁっ・・。

急に走ったものだから、私は

息が上がっていた。

そして、5年教室をこっそり覗こうとしたとき

誰かが、私の口に手を当てて

後ろへ引きずっていった。

「っっっっ?!!」

声もろくにだせずに、暴れていた。

「いてっ!おい!暴れんなっバカ!」

え。私はその声に聞き覚えがあった。

そう、輝矢だった。

そして、輝矢は口に当てていた手を離した。

「輝矢?なにやってんの?」

「お前こそ、こんなときに何うろついてんだよ」

「え?輝矢、やっぱり知ってる?」

「あぁ。澪のことだろ?」

「うん」

「今、夜叉が職員室に行ったから」

輝矢が、私にそっとささやいた。