キーンコーンカーンコーン――

チャイムが鳴り、一斉に教室から

去る人たち。

私は、友達と帰るわけでもなく

かといって、残って勉強するわけでもない。

私は、『榊 青海』サカキ アミ。

高校一年生で、今年入学して

数ヶ月が過ぎようとしている。


「さぁ。そろそろ帰ろうかな。」


誰もいない、静まり返った教室で

私は、1人でボーっと、窓の外を見ていた。

私が見ていた目線の先には

校庭で部活をしている、部員たち。

私は、運動神経はいいほうなのだけれど

部活にははいっていない。

なにしろ、すぐに飽きてしまう性格だから。