君の体温

「だから、ほら。5年教室だよ。」

「んー。それが?」

「はぁ・・・。お前、見てわかんない?」

「別に。俺には関係ないし。」

「ふぅ。黒坊主だよ。」

黒坊主。小笠原 仁・・・。

そう。そのとき、夜叉と輝矢が見ていたもの。

「あ。」

「今度は何?」

だるそうに、夜叉に付き合う輝矢。

「あれ、澪ちゃんじゃないか?」

「マジか?」

夜叉は、廊下に腰を下ろしていた輝矢を

無理やり引っ張って、5年教室を

これでもか、というほどに見せ付けてやった。

「澪、泣いてる・・。」

「ほらな・・。澪ちゃん泣いてるぜ。」

澪は、黒坊主、小笠原 仁と一緒にいたのだった。