でも、だからといって

お父さんやお母さん、お兄ちゃんを

うらんだことはなかった。

だって、一緒に食事できなくても

一緒に暮らしているから。

お父さんとはあまり会えないけど

誕生日なんかのときは

絶対お祝いしてくれるし、

学校の行事は、メモに「頑張れよ!」

っていつも書き残してくれている。

そんな些細な優しさが、私はいつも

嬉しかった。

ちゃんと話はできないから、私も

メモに書き残してく。

「いつもありがとう!お父さん!」

と。

たまに、本当のたまにだけど

廊下とかですれ違うときがある。

そのときは、すごい恥ずかしくなるけど

ちゃんと「おはよう」っていえた。

お父さんも、疲れた顔をしながらも

「おはよう」って笑顔で返してくれた。

だから、学校で嫌なことがあっても

頑張れたんだ。