「……う……ん…」




目が覚めたら、だいぶ体が楽になっていた。




横に視線を移すと……瀬越がベッドに寄りかかるようにして寝ていた。



そして、右手を見たら……瀬越の手と繋がっていた。



恥ずかしくなって、慌てて離した。





「ん……」



「あ。起こしちゃった?」




瀬越は、私がいるのが不思議なように、周りを見回した。



「あ……そっか。莉乃の家に来てたんだよな。」



納得したように呟いた。



どうやら忘れていたらしい。




時計を見ると、夜の7時。


わりと寝ていたらしい。




「体温、測れよ。」



体温計を手に取り、測る。