瞼が落ちようとして、霞む視界の中。
瀬越が真っ赤になったのがわかった。
彼女がいることはわかってる。
それでも、今日だけでも甘えさせて。
今日だけ限定でいいから、そばにいて。
「大丈夫。俺はずっとそばにいる。」
瀬越のそんな優しい声と共に、瞼が完全に落ちて。
吸い込まれるように眠った。
夢を見た。
瀬越が隣にいて、笑っている。
「瀬越」
そう呼んだら、照れたように赤くなって。
「何だよ。」
って返してくれた。
そんなことだけでも嬉しくて。
いつの間にか、自分から手を伸ばしていて。
そうしたら、優しいぬくもりが手を包んでくれて。
すごく…すごく…安心したんだ。

