【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~

「はい………あの……」


戸惑いながらも返事をした。


「遠矢にそっくりだ……ママは?」


パパの名前を知っている…知り合いかな?


「あの…ママは……いないの…」


俯きながらぽそりと呟いた。


「そうか………美怜ちゃん。……俺のうちへ来ないかい?

もちろん、寂しい生活なんかさせないよ。

一人で寂しくないか?」


男の人が言った途端……涙が溢れた。


「一人は嫌だよぉ…うぇ~ん……寂しいよ…

パパ…ママぁ…!」


泣きじゃくる私を男の人は優しく包み込んでくれた。