【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~

私が、6才に小学一年生になった頃……ママは私を置いてどこかに消えてしまったんだ。


私には…もう誰も居なかった。


どうしたらいいの………パパ…


私の思いが通じたのか…ある男の人が訪ねてきた。


―ピンポーン――


だれだろう。とにかく玄関に走った。


もしかしたら………ママかもしれない。そう思いながら。


「はいっ………誰ですか?」


勢いよく扉を開けたら扉の前にいたのは、長身の黒のスーツがよく似合う男の人だった。


「君は………美怜ちゃんかい?」


私の目線に合わせるようにしゃがんでくれた男の人。