【完】狼王~全国一の暴走族とわたし~

私はそのバイク音を聞いて安心した。


少し遠くに止まったバイク。そこから降りた彼はこちらに向かって駆け寄ってきた。


自分も彼に向かって駆け寄ろうとしたら、


「どこ行く。」


蓮に手首を掴まれた。


まだ皆は彼が誰か分かっていないようだった。


「離してっ!」


そう言って蓮の手を振り払って彼に向かって走って行った。