「表紙、見てみて。」 そう言われて表紙をみる。 【咲来へ】 お世辞にもキレイとは言えない角張った字。 まぎれもなく、翔くんの字だった。 「翔くんね、治療のために毎日日記、書いてたのよ」 「‥知らなかったです」 思い返してみると、そういえば何かを熱心に書いていた時があった。 いつも、何書いてるの?って聞くと 何もない!って笑っていた。