想い人



「話?」


看護士さんはそっとうなずくと、手にしていたノートを私に差し出した。


「これ、昨日見つけたの。」


差し出されたノートに見覚えはなかったから、受け取りかねていると、

看護士さんは私の右手を優しくとって、ノートを握らした。



見覚えのない五冊のキャンパスノート。


「これは?」