バイト君が行ってしまった後、作ったお菓子セットを並べていると、鈴木さんがポツリと言った。



「横森さん、彼氏と上手くいってる?」

「はい。もちろん。」

「でも、何か悩んでるんでしょ?」

「あぁ.......わかっちゃいます?」

「恋愛には何が正解とか無いのよ。本当は間違ってたとしても、いっぱい悩んで自分で出した答えなら、それが正しいの。」

「そう、ですか?」

「まだ若いんだから、いくらでもやり直し効くし、あんまり悩みすぎると失敗するわよ。」

「鈴木さん、今の言葉、すご〜く深いです。経験談?」

「まあね。こう見えて、若い頃は結構モテたのよ。」