ずっとそばにいたのに.......

人工芝の斜面を、温人と一緒にプラスチックのソリで滑り降りる。

心優が、カメラを構えて笑っている。

素直に楽しい。嬉しい。

久々に、心から笑っている気がする。



今までに、味わったことがない感覚かもしれない。

親の目線で、何かを感じるなんて初めてだ。

こんな日常があったら、どんなに救われるだろう。

「幸せ」って、こういうことなのかな.........



だとしたら、今の俺には、やっぱり「幸せ」を手に入れることはできない。

俺がほしいと思う「幸せ」の中には、必ず心優がいるから。



でも、心優を幸せにしてやりたいと思う気持ちは変わらない。

例え、その「幸せ」の中に、俺の存在がないとしても..........