ずっとそばにいたのに.......

門が開く音がして、心優が出て来た。

手には、ピクニック用のバスケットを持っている。



「じゃあ、稜も心優もよろしく。温人もイイ子にしてるんだぞ。」

「うん、わかった。ママに早く治してねって言ってね。」

「うん。」



友哉はしゃがんで、温人の目線でそう言った後、小さく手を降り、親父さんの車で出掛けて行った。

温人は、早くも心優の足にしがみついている。

友哉がいないと心細いのかな.........,



「はい、カギ。半日くらいでいいって言ってたけど、温くんの様子見ながら、キャンプ場の方でも行ってみる?」

「うん、そうだな。あそこ、大きい滑り台とか、アスレチックとかあったよな?」

「そうそう、稜が落ちた池とかね。」

「そうだよ、落ちたよなぁ。」

「稜くん、お池に落ちちゃったの?」

「うん、そうなのぉぉぉ。」