透理が必死で謝れば、清明も気が済んだらしく、わざとらしく溜息を一つ。
……天才陰陽師っていうより、人の神経を逆なでする天才なんじゃないの?
そうは思っても、透理は口には出さない。
「まあ、今回は僕も大人気なかったね。じゃ、最初から教えるから一緒にやろうか」
ようやく清明の機嫌は直ったらしい。
「初心者なので。優しくお願いします…」
こうでも言っておかないとスパルタ授業になりそうだし?
うん、保身は大事よね。
私、結構小狡い人間だったんだなぁ…なんか情けなくなってきたわ…とほほ…
透理はがっくりと肩を落とした。
しかし、それから始まった清明の説明は、とてもわかりやすいものだった。
「つまりね、星の位置から導き出される答えは現在の状況なんだ。ここから空の動きを予想することが1番大切なんだ」
最後に清明はそう締めくくったのだが、千年以上の未来からこの時代に来た透理にすれば、星の動きで未来を決められてたまるものか、とも思うわけで。


