「つまり、透理は暇過ぎて干からびる、と言いたい訳かい?」
あ、そこで話が戻るわけですか。
「そゆこと。だから外を散歩するくらいいいでしょ」
「ダメ」
「なんで」
「外は危険だから。外には雑鬼がうようよしてるんだよ?霊力が高いくせに護身の出来ない君が外を歩いてごらん?奴らに喰われて終わりだよ?」
……霊力って?
はてさて、と今度は透理が首を傾げる。
だって、産まれてこの方、霊感なんてものとは全く無縁に生きてきた。
幽霊はおろか、金縛りすらなったこともない。
そんな自分が霊力が高いって?
それこそどんなファンタジー?
「まっさかぁー!」
透理はきゃらきゃらと笑い飛ばした。
「そんなものあったらとっくに自分で元の世界に戻れるでしょーよ」
「やれやれ。無自覚とは困ったものだね」
透理が肩を竦めて笑えば、清明が呆れたように溜息をつくから、透理は少しむっとする。
なんか今、馬鹿にされた気がする。
むぅ。


