「で、みいらとはなんだ?」


ここ数日で清明について、幾つかの注意事項に気付いた透理は、自らその注意事項に触れたことに気付く。


非常に向学心旺盛な清明は、透理が不意に口にする言葉にやたらと興味を持っていて、納得するまで説明を求められる。


まるで言葉を覚えたばかりの幼児。


そうか。
ミイラって、現代になってからの言葉なんだ…。


「ミイラっていうのは、日本でいうとこの即身仏よ」


あれ?この時代って即身仏っていう概念…でいいのか?観念?信仰心?まあいい…あるのかな?


「そくしんぶつ……」

「もっと言えば、魚の干物があるでしょ?あれを人間で実践したようなものよ」


実際には魚を干物にするよりも色々細かい条件があるんだろうけど、透理だってそこまで詳しい訳じゃない。


詳しく知りたきゃ中国の書物でも漁ってみれば?


透理がそう答えると、清明はふむ、と首を傾げた。