「そうそう。君の着替えはこの子達がやったから安心していいよ」


はぅっ!


そーだよ。なんか色々ぶっとんでいて頭から抜けてたけど、頭から血を被ったはずなのに、全部綺麗に落ちてるし、服もなんか着物になってるし。


なんかスッキリしたなぁ。とか思ってたけど、そこまで思い至らなかったわ。


なんだ、私って結構ヌケサクなんじゃん。


透理は生まれて初めてそう思った。


「あー。うん。どうもありがとうございました」


狐に着替えさせてもらったとか、なんだか情けない……。


「だって。良かったね。護狐その3」


ぽんぽんと清明に頭を撫でられた子狐は、実に気持ち良さそうに目を細めた。


その3って……


番号で呼んでるとか、なんかこの男らしくて納得。


透理はこの理解し難い状況を受け入れつつある自分に少し自分驚く。


だって、ねぇ?


これが夢であれ現状であれ、自分という人間の本質は何も変わらないんですよ。


そこに新しい自分を発見したとしても、それは今まで表に出てこなかっただけで、やっぱり水嶋透理という人間であることに変わりない。