あたしは『センセイ』という人種がきらいだ。



それが男の『センセイ』だったらなおさらで、きらいどころか顔もあわせたくない。



できることならおなじ空気だって吸いたくないぐらい。




そんなことを言うと、たいていの友達が笑ってこう言う。





「ミクは先生じゃなくて男がきらいなんでしょ」





……そのとおり。





たしかにあたしは男がきらいで、『センセイ』もきらいで、だから




『男のセンセイ』



がこの世で一番きらいな生物で、一番きらいで尊敬できない職業だった。