坂口美里とガルダスト


「すごい・・・。」


 思わず、そんな声も漏れるってものだ。


「い・・・いてぇ、いてぇよ!!」


 カオリに押さえつけられて、大声を上げるナンパ男その1


 情けないこと、この上ない。


「これでも、合気道を習っているんです。あまりに強硬な手段に出るならば、片っ端から締め上げますよ!」


 カオリの厳しい目つき。


 だ・・・伊達に兄貴と同じ顔じゃない。


 やっぱり、この手のタイプの顔は、喧嘩も強いんだ・・・。


「あ・・・あぁ、すまない・・・すまない!!」


 必死にあやまり、しまいには涙を流すナンパ男その1


 その2その3は、ただ、呆然と見ているしかない。


 その状況に満足したのか、カオリは押さえつけた手を静かに放す。


 しかし、あの厳しい目つきは変わらない。


 不思議な構えも取って、いつでも飛びかかれる体制だ。


「うわっ・・・なんだ、この女・・・」


「行こうぜ。」


「お・・・おぅ。」


 お互いに、好き勝手言って、ナンパ男たちは、立ち去っていった。


 後姿が、とても情けない。