坂口美里とガルダスト


「ねぇ、君たち可愛いね。ここら辺だと、何高校。」


 何の前触れもなく、唐突に声をかけてくる若年(それでも私よりも年を年上だろうけど)の男たち。三人。


 全員そろって、ストリートファッション。


 分かりやすい構図だ。


「ナンパか・・・。」


 一応、恥ずかしかったから、つかんだままのカオリの手を放しがら、私の口から思わずため息が漏れた。


 そういえば兄貴と出かけると、三回に一回の確立でナンパされる。


 悲しいことに、その大半が兄貴目的で・・・。


 分かってたのに・・・


 兄貴と同じ顔の人と出かける時点で、分かっていたはずなのに~!!


「なんですか?」


 私が頭を抱えて、自己嫌悪に陥っている間に、まるで打ち合わせしていたかのように、私たちを取り囲むナンパ男。その1から、その3。


 カオリのたじろく姿がある意味、新鮮だ。


 そういえば、いつもなら兄貴のドスの聞いた低い声で、


「俺たち、男なんだけど・・・。何なら脱ごうか?」


 といえば、たいていの男どもは退散していくけど、今日一緒にいるのは、カオリなんだよな?


 カオリに、ドスの聞いた低い声なんて、出せる訳ないし・・・(いや、出せてもいいんだけど)


 さて、どうやって切り抜けようっかなぁ~?


 私が、そんなコトをボンヤリ考えていると・・・。