坂口美里とガルダスト


「でも、それも昔の話だけどね・・・。」


「どういうこと?」


 トイレから出ると、陽気な太陽が公園を照らしていた。


 そういえば、これだけの短い期間に何度も公園に行っているのは、私の人生の中では初めてかもしれない。


「一年前かな・・・私の友達・・・まぁ、当時の兄貴の恋人なんだけどね。その子が亡くなっちゃったんだ。」


「え?」


「まぁ、珍しいことじゃないんだけどね・・・。それから、兄貴も変わってきているよ。正確には変わろうとしていると言った方が正しいのかな?昔は、本当に自分を見せない人間だったけど、それから、時々。何の脈略もなく、難しいコトを私に向かって話してくる。正直、うるさいけどね。」


 でも、兄貴がそうやって話すことは、私の人生の中で多大な影響を与えていることは確かだ。


 学校では教えてくれない哲学。


 時には難しすぎて、分からないことも多いけど、きっと、将来役に立ってくれるのだろう。


「ふ~ん・・・本当に、好きなのね?お兄様のことが?」


 ・・・・ハイ?