坂口美里とガルダスト


「ハイ。最低でもカオリ様とお付き合いする方は第5、もしくは第6階級以上の方でないと、お嬢様に変な噂がたたれましても困りますので・・・。」


 変な噂?


「はぁ・・・。」


 思わず、曖昧な返事をしてしまう。


 当然、私に階級なんてものはない。


 それ以前に階級とはなんなんだろうか・・・?


 さすが、異世界。私には理解できない単語が散乱している・・・。


「それで、美里様の階級は、いくつでいらっしゃいますか?」


「え~と・・・。」


 素直に、「ありません。」と答えるのがベストなのだろうか?


 しかし階級なしとか言った後、信じられないみたいな顔をして、側近から怒られるのは、こういう場合のパターンだしな・・・。


 やっぱり、このアルマーニスーツの言うとおり、無難に第5階級とかウソを言っとくべきだろうか?


 まったく意味は分からないけど・・・。


「美里に階級はないわよ。」


 そんなコトを考えていると、声は後ろから聞こえてきた。


 顔を向けると、赤いドレスに洋服を変えたカオリが見えた。


 ナチュラルスーツなのだけど、私が着ても、絶対似合わないだろうな・・・。


 って言うか、兄貴。よく似合うぜ・・・。悔しいけど・・・。