坂口美里とガルダスト


「すいませ~ん!ここから先は私有地のために、関係者以外は立ち入り禁止です。許可書か招待状はお持ちですか?」


 突然、近くにいた警備員に止められた。


 警備員だと思えたのは、その格好が、自分のよく知っている警備員とウリ二つだったからだ。


 きっと、知識がある人間が見たら、こう言うに違いない。


 異世界でありながら、自分たちとまったく同じ文化を持つなんて・・・ここは奇跡が終結したような世界だよ。


 ・・・そんなことは知ったことじゃない。


 目の前にガルダストそっくりの巨大ロボットが動いていて、パイロットがそこに乗っている。


 今の私にはそれが何よりも重要なことだ。


「きょ・・・許可書ですか?」


 当然、持っているはずもない。


「ハイ。お持ちでなければ、申し訳ありませんが立ち去っていただかないと・・・。」


「ここから見ているだけではダメなんですか?」


 身を乗り出して、懇願してみる。


 ここからでもかまわない。とにかくガルダストのパイロットを見てみたい。


 せっかく魔女の国へ来て、ガルダストが目の前にあるのに、誰がここで引き返して帰ることができるものか。