坂口美里とガルダスト


「まさか、ここまでとはねぇ~。」


 正直な感想。


 そして・・・。


「ここまでやっておいて、まさかビビって潜れませんでした・・・は、ないよねぇ~。」


 ハハハ・・・と笑ってごまかしてみるが、まさにその通りだった。


 正直、滅茶苦茶怖い。


 まさか、本当に開くとは思っていなかったし、もし開いたとしてもこの先にはどんな世界が待っているのか、分からないのだ。


 この先は実は紛争地区で、入った途端流れ弾に当たってしまうとか、魔物の巣窟で、入った途端食われてしまうなんて想像も、この現状では、真実味があるってものだ。


「でも、魔女は人を食べたりしないものね。」


 よし!!


 私は気合を込めると、先ほど、フリマで買ったブーツを片手に、勢いよく蛍光灯のワッカの中に飛び込んだ。


「・・・・くっ!」


 その瞬間、頭がグルグル回る感覚が私を襲う。


 どっちが上でどっちが下かもよくわからない。


 目が開けられない。


 気持ち悪い。


 声を出すことすら辛いぞ・・・。


 まずい、私、このままでは死んでしまう。


 やだ!!まだ死にたくない!!


 心の中でそう強く念じた瞬間。


「!!」


 突然、視界が開けた。


 真っ先に映ったのは、さんさんと照りつける太陽の光。


 そして、青々と生い茂る草花に、規則正しく並べられた緑の木々たち。