坂口美里とガルダスト


「おぉ!!予想以上だ!!」


 私の興奮は鳴り止まない。


 これは、もしかしたら、もしかするかもしれない。


 私は、意を決すると。


「カイト=ウリグス=ダイゴロウ=サトル=タケチャン!」


 できるだけ、声を落として蛍光灯をさすりながら、口に出してみた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 しばらく、沈黙の間が流れる。


 10秒経過・・・。何も変化は起こらない。


 な~んだ、やっぱりここまでか・・・。


 私が少しがっかりして、蛍光灯を床に落としてひざを着くと。


『パスワード照合確認。ゲートが開きます。危ないですので、白線の外側までお下がりください。』


 !!!


 その声は、確実に蛍光灯から聞こえた。


「ウソ!!・・・ウソうそうそうそ!!」


 一度、がっかりした分、興奮はその倍以上。


 過去、心臓がこれほど鼓動した経験があっただろうか?


 私は、一度ついたひざを再び起こして蛍光灯の中を覗き込む。


 しかしその瞬間、蛍光灯を中心して、敷かれていく半径一メートル強の白い丸線。


 アナウンスが、私の頭をよぎる。