「それにしても美里、そんな蛍光灯本当に何に使うんだ?」
「何が?」
「まさか、魔法なんて本当に信じているわけじゃないだろうな?」
まぁ、確かにそれは半信半疑であるところが正直なところだが・・・。
「隆こそ、科学では証明できないことは、信じられないとでも言う気?」
「まぁ、そういうわけじゃないけど、とりあえず、その蛍光灯が魔法の国への入り口って言うのは、いくらなんでも無理あるだろう?」
「そうかな?」
「そうだよ。」
「でも、きっと6500万年前。その当時ネズミに過ぎなかった、私たちの先祖が後の地球の覇者になるなんて、いくらなんでも無理があったはずだよ?」
「また、その話か?」
「それだけじゃない。もっともっと大昔、炎だけだった地球に雨が降って海が作られて、そこから生物が生まれるなんて、一体誰が予想しただろう?」
「誰も予想できないんだよ。生物そのものがいないんだから・・・。」
隆の厳しいツッコミはとりあえず無視だ。
「それだけじゃない。もっと根底的な問題。どうして人は生まれ、子孫を反映するのか、どうして、人は繁栄を極めながらも、より利益を求めて戦争をするのか、どうして、人は地球に悪い身体にも悪いと知りながらも贅沢な暮らしをやめようとしないのか・・・昔に戻らなくても、科学で証明できないことなんて、今でもたくさん溢れているよ。そんなことに比べたら、蛍光灯が魔法の国につながっていることぐらい、たいしたことではないと思わない?」
「・・・それは、科学じゃなくて、哲学。まぁ、美里がそれでいいというなら、止めはしないけどな・・・。」
隆の大きなため息が漏れる。


