「まぁまぁ・・・。それじゃあ、ハイよ。美里ちゃん。」
蛍光灯を袋に包んで、渡す松本おじさん。
うれしさに、思わず私の顔は緩むところまで緩む。
やった!魔女の国は別としても、この蛍光灯はきっと何か仕掛けがあるに違いない。
後で、徹底的に調べてやる。
「ありがとう。後、ついでに、そのボール型ロボットもちょうだい。」
「ハイハイ。俺の発明はついでか?・・・まぁいいや。500円だ。」
残り財産をおじさんが最初に見せてくれたボール型ロボットにつぎ込み、私は隆が持っている紙袋に詰め込む。
しかし蛍光灯だけは別だ。
私がしっかり持たねば・・・。
「それじゃあ、ありがとう。またね松本おじさん。」
私たちは、手を振ってその場を後にした。
おじさんは、相変わらず私たちが見えなくなるまでにこやかな笑顔で手を振ってくれた。
その後、私たちは噴水の前で行われている大道芸を少し見てから、帰路に着く。
帰りのときは、自転車は荷物運び専用機。
徒歩になるのは、いつの間にか二人の間で出来上がったルール。
もちろん、自転車を引くのは隆の役目だけど・・・。


