「こ・・・子供?」
まぁ、このおじさんから見れば、そうだろうな・・・。
「子どもで悪かったね・・・だいたい、なんでこうことしたんだよ?この状況を見てみなよ。もう町中粉々だよ?」
私はコックピットから這い出ると、器用にガルダストの腕に乗っかり、仁王立ちになりながら、強い口調で口にしてみる。
ちなみに、二体の巨大マシーンが対決したのだ。先ほどの拳銃の流れ弾やら、カオリのガルダストが倒れた衝撃やらで、ここ付近周辺はすっかり破壊されている。
半分は自分たちの責任だと言う言葉は・・・とりあえず、ここでは聞かない。
「お前たちに何が分かる?・・・お前たちのような、上流、中流階級の人間に!」
分かる訳ないだろう・・・。
「あなた・・・第15階級の人間ね?」
声は後ろから聞こえた。
カオリだ。
「第15階級?」
わけが分からないといわんばかりに、私が質問する。
「最下級階級よ。スラムでの生活を強制されている人間。」
この世界特有の厳しい身分制度。
でも、この世界の身分制度は、お金や功労でいくらでも上に行くことが可能だと聞いた。
つまり、平民も頑張り次第では貴族になれるのだ。
「それが、理由になるの?」
もし、それが絶対的な身分制度というのなら、分からなくもない。
どうしようもない世界に憤りのない怒りを覚えるのは、人としてよくあること・・・らしい。
「さぁ?」
首をかしげるカオリ。


