坂口美里とガルダスト


「動くの?」


 興味津々の顔でおじさんに聞いてみるが。


「それは、無理だ。こいつが動くようになるには、この10倍の大きさが必要になってくるし、金だって俺の発明予算じゃ、どうにもならんよ。」


「奥さんが逃げ出すわけだ・・・・・。」


 隣で隆がため息と共に、言ってはいけない言葉を吐いたので、とりあえず、思いっきり殴っといた。


 隆がうずくまったまま、動かなくなるが、とりあえず無視だ。


「な~んだ。ところで、その蛍光灯みたいなのは何?」


 私が指差した先にあったのは、家の照明によく使われる、ドーナッツ型蛍光灯。


 大きさが何型になるのかよく分からないが、この大きさが異常なのは考えなくても分かる。


 私ぐらいなら、軽くくぐれるだろう。


「ああ、それな・・・。そいつは家の近所に住んでいる魔女にもらったんだ。」


「え?」


 おじさんの言い草に、隆が不思議な声を上げる。


「魔女!?」


 それに対して、私の好奇心センサーが反応して、声が大きくなる。


「ああ、俺の家の向かい側に住んでいるお婆さんなんだがな・・・。何でも魔法使いの国に続く扉が、そいつらしい。」


「本当に!!」


 予想以上に興味をそそる話に、思わず身を乗り出す私。