無垢・Age17

 家に帰ってから俺の作ったホワイトデーの贈り物でイチャイチャするつもりでいた。

忘れられないくらいロマンチックな夜をみさとにプレゼントするためだ。


『あーん』
それを掬ったスプーンをみさとの口元へ近付けると、恥ずかしそうにしながら口を開ける。


俺はゆっくりと運びながらみさとが口を閉じた瞬間を狙った。


それを食べさせ甘くなった唇を……

俺の唇で塞ぐ。


息が出来なくなるほどに口付ける。

みさとは堪らず唇を小さく開いくだろう。

甘くなった唇が俺の唇でより一層甘くなる。


それでも俺は焦らしてやるんだ。
何度も何度も角度を変えて唇を戻すんだ。


つまり……
キスの嵐だ。


それはみさとに愛を贈るためだった。
それと……


『ジン……お願い抱いて……』

そう……
それは又あの言葉を言わせるための作戦だった。




 「あーん」

俺は思い出した通りに実行に移した。

俺の言葉と態度にみさとは驚いたようだったが、大人しくそれに従った。


恥ずかしそうに俯きながら……
それでも目だけは俺を見つめて小さく口を開いた。


(ヤバい。可愛すぎる)

俺の心は乱れていた。
それでも冷静になろうと思った。


みさとの口にそれを入れた後……
いよいよ、俺の企みを試す時だ。


俺はすかさず、みさとの唇に唇を押し付けた。

みさとが頬ばったマシュマロが俺の唇で甘く溶けていく。


そう……
俺が準備したのは、口に入れるとじんわり蕩けるマシュマロだったのだ。


「俺の愛でみさとを甘くされてやりたかったんだ。でも、俺もみさと以上に甘くなりたかった。それにはこうすることが一番だと思ったんだ。みさと愛している」

俺は又みさとの唇へ唇を戻した。


みさとが又あの言葉を囁いてくれることを期待しながら……