でも結局、私は笑い転げていた。
アイツは仕方なく私の肩を抱いてマンションを後にした。
もう二度と戻れない愛の巣に思いを馳せる。
それなのに、笑いを堪えることが出来なかった。
「それにしても豪快な笑い声だな。聞いててコッチも愉快になるよ」
そう言われて見ると、アイツも笑っていた。
「開けっ広げとか、大ざっぱとか言いたいんじゃない?」
私は笑いながら聞いた。
「いや、おおらかなんだよ。きっと色々吹っ切れたんじゃない?」
アイツは嬉しそうに言った。
そう……
確かに私は吹っ切れた。
ハロウィンの悪夢も、パニック障害からも……
だからつい、あんな笑い方になったのだ。
でも冬休み中の小旅行はそれだけでは終わらなかった。
アイツはその後、美魔女社長のオフィスに立ち寄ってくれたのだ。
「お久しぶりでーす。社長ー!!」
私は、興奮していた。
目の前に新宿で会ったまんまの美魔女社長が居たからだ。
社長はあの時と同じ、十代だと言っても過言ではない美しさを保っていた。
でも、橘遥さんの顔を見るなり又吹き出した。
「何よいきなり。気色悪い」
「だってー。社長と橘遥さんが同期生だったなんて知らなかったんだもの」
私のその言葉を聞いて、橘遥さんの顔に焦りの色が見えた。
「三十路ねえー。アラサーねえー」
私は挑発していた。
そう、あの週刊誌に書いてあったのは嘘だった。
アラフォーの社長の同期生がアラサーってことはないのだから。
「どうせだったら一回り。そうすれば干支も一緒ですよね?」
笑いを堪えて言う私。
口をトンがらがす橘遥さん。
二人は本当は親子ほど歳が違う。
だって社長と橘遥さんは同期生で、私の母とも少ししか離れていなかったのだ。
橘遥さんも美魔女だったのだ。
「アンタ良く記事を読みなさい!! 同期生で同級生とは書いてないでしょう? それに、そもそも社長が若過ぎるのよ!!」
橘遥さんが週刊誌の記事を指差しのながら、私に迫る。
私は思わず仰け反った。
「私達が大学の同期生になった時、社長はアメリカから帰国したばかりで……年齢は一緒じゃないのよ!!」
橘遥さんはそう言って部屋を出て行った。
「えっ!?」
私はとんでもない勘違いをしていた。
確かに同期生と同級生は違うのだ。
アイツは仕方なく私の肩を抱いてマンションを後にした。
もう二度と戻れない愛の巣に思いを馳せる。
それなのに、笑いを堪えることが出来なかった。
「それにしても豪快な笑い声だな。聞いててコッチも愉快になるよ」
そう言われて見ると、アイツも笑っていた。
「開けっ広げとか、大ざっぱとか言いたいんじゃない?」
私は笑いながら聞いた。
「いや、おおらかなんだよ。きっと色々吹っ切れたんじゃない?」
アイツは嬉しそうに言った。
そう……
確かに私は吹っ切れた。
ハロウィンの悪夢も、パニック障害からも……
だからつい、あんな笑い方になったのだ。
でも冬休み中の小旅行はそれだけでは終わらなかった。
アイツはその後、美魔女社長のオフィスに立ち寄ってくれたのだ。
「お久しぶりでーす。社長ー!!」
私は、興奮していた。
目の前に新宿で会ったまんまの美魔女社長が居たからだ。
社長はあの時と同じ、十代だと言っても過言ではない美しさを保っていた。
でも、橘遥さんの顔を見るなり又吹き出した。
「何よいきなり。気色悪い」
「だってー。社長と橘遥さんが同期生だったなんて知らなかったんだもの」
私のその言葉を聞いて、橘遥さんの顔に焦りの色が見えた。
「三十路ねえー。アラサーねえー」
私は挑発していた。
そう、あの週刊誌に書いてあったのは嘘だった。
アラフォーの社長の同期生がアラサーってことはないのだから。
「どうせだったら一回り。そうすれば干支も一緒ですよね?」
笑いを堪えて言う私。
口をトンがらがす橘遥さん。
二人は本当は親子ほど歳が違う。
だって社長と橘遥さんは同期生で、私の母とも少ししか離れていなかったのだ。
橘遥さんも美魔女だったのだ。
「アンタ良く記事を読みなさい!! 同期生で同級生とは書いてないでしょう? それに、そもそも社長が若過ぎるのよ!!」
橘遥さんが週刊誌の記事を指差しのながら、私に迫る。
私は思わず仰け反った。
「私達が大学の同期生になった時、社長はアメリカから帰国したばかりで……年齢は一緒じゃないのよ!!」
橘遥さんはそう言って部屋を出て行った。
「えっ!?」
私はとんでもない勘違いをしていた。
確かに同期生と同級生は違うのだ。


