「うん、あるよ」
私はそう言いながらボストンバックを開けて、中から青春十八切符を取り出した。
アイツはそれを受け取ると、改札口まで全速で走った。
五個のマスの一つに改札印を押してもらうためだった。
青春十八切符。
言わずと知れた、学生向けの格安切符だ。
JR全線の鈍行や快速だけで利用出来るため、以前はその利用する殆どが卒業旅行などだった。
和気あいあい、仲間意識を高めるには絶好のアイテムだったのだ。
でも今では、ファミリーのお出掛けなどにも使用されるようになっている。
一枚で五回分使用出来る枠があり、料金は一万一千五百円。
一人でも大人数でも利用出来る。
あくまでも学生向けなので、春夏冬の休みに合わせて販売される。
今年の冬休み分は年末までの販売だった。
私が用意したのは西日本限定チケットで、普通のとは違うらしい。
改札口で念入りに確かめられたのを思い出した。
私はアイツが戻って来るまでホームで待つことにして一旦下車した。
だって私のチケットはアイツが持って行ったから、もし出発でもされたら無賃乗車になるからだった。
私はこの線の途中の駅で下車する予定だった。
其処から田舎まで快速が出ているんだ。
きっと今日中に最寄り駅までたどり着けるだろう。
もし間に合わなかったらもう一日分あるからいい。
そう思っていた。
でも思いもかけないアイツの登場で、そんなのはどうでも良くなった。
そんなことより、発車時間までにアイツが戻って来れるかの方が心配だったんだ。
息急きかけてアイツが戻って来る。
その姿に私は思わず涙ぐんだ。
アイツの視線と私の視線が絡み合いながら、徐々にその距離が縮まっていく。
その時ホームに発車の合図を知らせるベルが鳴り響いた。
私は一旦乗車して、ドアの真ん中にボストンバックを置いた。
こうすることで、ドアを閉めさせなくするんだ。
咄嗟の私の判断は、正解だったかのようにみえた。
でも本当はそんなことしなくても良かった。
ドアが全部閉まるまでには、アイツは私の目の前に居たのだ。
「良かったー。間に合ったー!!」
二人同時に言った。
私はそう言いながらボストンバックを開けて、中から青春十八切符を取り出した。
アイツはそれを受け取ると、改札口まで全速で走った。
五個のマスの一つに改札印を押してもらうためだった。
青春十八切符。
言わずと知れた、学生向けの格安切符だ。
JR全線の鈍行や快速だけで利用出来るため、以前はその利用する殆どが卒業旅行などだった。
和気あいあい、仲間意識を高めるには絶好のアイテムだったのだ。
でも今では、ファミリーのお出掛けなどにも使用されるようになっている。
一枚で五回分使用出来る枠があり、料金は一万一千五百円。
一人でも大人数でも利用出来る。
あくまでも学生向けなので、春夏冬の休みに合わせて販売される。
今年の冬休み分は年末までの販売だった。
私が用意したのは西日本限定チケットで、普通のとは違うらしい。
改札口で念入りに確かめられたのを思い出した。
私はアイツが戻って来るまでホームで待つことにして一旦下車した。
だって私のチケットはアイツが持って行ったから、もし出発でもされたら無賃乗車になるからだった。
私はこの線の途中の駅で下車する予定だった。
其処から田舎まで快速が出ているんだ。
きっと今日中に最寄り駅までたどり着けるだろう。
もし間に合わなかったらもう一日分あるからいい。
そう思っていた。
でも思いもかけないアイツの登場で、そんなのはどうでも良くなった。
そんなことより、発車時間までにアイツが戻って来れるかの方が心配だったんだ。
息急きかけてアイツが戻って来る。
その姿に私は思わず涙ぐんだ。
アイツの視線と私の視線が絡み合いながら、徐々にその距離が縮まっていく。
その時ホームに発車の合図を知らせるベルが鳴り響いた。
私は一旦乗車して、ドアの真ん中にボストンバックを置いた。
こうすることで、ドアを閉めさせなくするんだ。
咄嗟の私の判断は、正解だったかのようにみえた。
でも本当はそんなことしなくても良かった。
ドアが全部閉まるまでには、アイツは私の目の前に居たのだ。
「良かったー。間に合ったー!!」
二人同時に言った。